貝化石って何?

貝化石鉱床とは?

 貝化石鉱床とは、鮮新世初期に堆積した貝殻破片を主体とした堆積物の鉱床から産出される極めて特殊な堆積岩である。地層の下位に薄い黄土色の石灰質の中粒細粒砂岩、地層の上位に細粒粗粒砂岩(頭川層)が重なっている。当鉱山は下の地層と上の地層では生成年代堆積環境も違っている。最下部は365万年前比較的温暖な傾向がある。上部は275万年前ごろと言われており,化石の巨大化例があることから、鮮新世末期における北半球の寒冷化により日本海沿岸部の特異な海洋環境が実現していた地層と考えられている。
 その構成要素は 貝殻を主体としてはいるが、有孔虫、硅質海綿骨針、珪藻類、ゴカイ類の棲管や石灰藻など多岐にわたり、海のミネラル分をそのまま残したような地層から産出される。鉱床の下部の堆積時は比較的温暖な海であったと考えられている。つまり、下の貝化石は風化作用により、粒度は細かくなり粘土化しており、海成分由来の粘土鉱物になっています。中段の貝化石層は暖流の影響も受けた冷たい海の成分と推定されており、北半球の寒冷化による特異な環境下な海で堆積したことが推定され、生成年代も比較的下段より新しいため、壊れやすい微量要素のミネラルが残っている貴重な鉱物と言えるのではないか思われる。

 貝化石全般としては地中での圧力や熱変成をうけていないため、石灰石などに比べて化学変化や結晶化が起こっていないと考えられ、多孔質な形状を残している。何万年も堆積している原料を使用しておりますので、塩分障害になるような塩分は含みません。しかし、地質学的には新しい鉱物なので、物質として活性であると言われ、水に対する溶解度が石灰石の2倍高く、もちろん弱酸にも溶けやすい特徴があり、植物への吸収も良いと言われている。つまり鉱物でありながら、植物性のミネラルに近いのではないかと思われる。

貝化石の中にいる有孔虫
貝化石の多孔質構造藻



貝化石肥料の特質

 ① カルシウムを豊富に含む資材でありながら、カルシウムだけでなく、
   海に存在するあらゆる微量要素を含む資材です。特にケイ酸、鉄、マンガンなどミネラル分を
   豊富に含みます。38%が可溶性石灰です。 
   病気の発生をふせぐ効果のあるケイ酸が適度にふくまれるアルカリ資材です。
 ② 多孔質であるので、まわりの土壌となじみやすい。カルシウム剤でありなら、土壌を硬くしません
 ③ 多孔質な構造が微生物の住処となり、微生物の繁殖に適している

④ 遅効性のアルカリ資材であるのであらゆる生物に優しく成長を促進できる。
  苦土石灰の2倍水に溶けやすいカルシウム、ミネラルが生物に良い影響を与えます。その証拠に貝化石鉱山には渡りの  前に栄養補給するツバメが毎年訪れます。

 

洪水調整池には鯉が住み着いています。

 


 ⑤ 貝化石は餌や肥料としても有用です。防臭効果が、糞や有機物の発酵の手助けをし、匂いを抑える効果もあります。  また、水にいれると、栄養過多な水の成分をコントロールし、水をマイルドに浄化します。天然成分ですので
  、生物に優しい天然浄化剤ともなります。
 ⑥ 他のカルシウム資材と違い、使いすぎても土壌にダメージを与えない。
 ⑦ 連作障害の緩和やpH調整を緩やかに行うので、農業の素人でも使いやすい。
 ⑧ 入れすぎによる土壌へのダメージがない。