日本海高岡鉱山 鉱山全体図 日本海高岡鉱山の地層はいつの時代に出来たもの 当鉱山は、薄い黄土色の石灰質の中粒細粒砂岩からなるとその上位に細粒粗粒砂岩(頭川層)とシルト岩の互層からなる板谷層が覆っている。つまり下の地層と上の地層では生成年代堆積環境も違っている。 最下部は386万年前の比較的温暖な傾向。石灰質ナンノ化石順序から推定される3.65MAの基準面21も観察され地球学的にいうと対馬海峡から一時的に温かい暖流が流れ込んでいたと推定される。上部は275万年前ごろと推定されている。つまり、貝化石の生成年代は365万年前か275万年前の間に堆積した特異な層である。この時代、地球学位的にはCO2濃度は普通であるのに、北極の気候はきわめて温暖であったと報告されている。地球的には温暖化していた時期ではあるときであるが地球はその時期にも寒冷化と、温暖化を繰り返しており、上部層では寒冷化により化石が巨大化している事例も見られることから、鮮新世末期における北半球の寒冷化により、それまでの地球環境にはない日本海沿岸部の特異な海洋環境が実現していた地層と考えられている。 日本海高岡鉱山の石灰石は通常の貝化石とどこが違う 通常の石灰石と貝化石の違い 簡単に言うと貝化石の方が生成年代が新しく、海水中の炭酸カルシウムが沈殿した単純な石灰石ではなく、生き物が豊富な時代に堆積した 石灰藻及び有孔虫、腕足類、浅瀬に住む生物の遺骸など多種多様な物かなっている。そのため微量要素を豊富に含み、生成年代も新生代初期と比較的新しいため、古生代や中生代に堆積した激烈な地殻変動を経て堆積した比較的安定的な結晶形の方解石型の石灰石に比べ活性である。従って水に対する溶解度も方解石型の1.4に対して1.5と高く、弱酸にも溶けやすい性質を持っている。 藻がたくさん生える貯水池 鉱山を訪れるツバメたち 貯水池に住み着く鯉 弊社の鉱山から新種の貝発見 お宝ガレリアの取材を受けました 弊社の鉱山を中学生の時から研究している吉村君がNHKとともに弊社を訪れて NHKの番組お宝ガレリアで紹介されました。 取材風景1 取材風景2 通常のキンチャクガイ 新種のズカワキンチャクガイ 新種の貝発見の論文 簡単に言うと通常のエゾキンチャクガイと放射線状に凹凸のある盛り上がりの角度が特徴的で、それは成長速度や生殖活動の周期が異なることが推測される貝だそうです。 吉村君はこの鉱山を形作った環境が特徴的であったことを指摘し、古の富山湾の環境の理解に努めていきたいと言っておられます。 弊社の鉱山から発見された海牛の新聞記事 300万年前の弊社貝化石採掘層から日本海側では、発見されたことのない大型ジュゴンの化石が発見されたそうです。クジラや、サメの化石も多数発見されています。